地球の重さを“実感”で考える

サイエンス

地球の重さはどれくらいなのか?

地球の質量は \(5.97 \times 10^{24}\) kg。
1トン = \(10^3\) kg だから、\[\frac{5.97 \times 10^{24}}{10^3} = 5.97 \times 10^{21}\]

つまり、 \(5.97 \times 10^{21}\) トン ≒ 約6垓(がい)トン。
\(M\oplus\)(地球質量)と言う単位で表されることもあります。

地球の重さをどうやって測るのか?

地球は巨大すぎて、当然ですが「はかりに載せる」ことはできません。
では、どうやってこの 約6垓トン という重さが分かったのでしょうか。

その答えは、人工衛星や月の運動にあります。
人工衛星が地球の周りを回り続けられるのも、月が決まった軌道で公転しているのも、すべて地球の重力が引っ張っているからです。

ここで使われるのが、ニュートンの 万有引力の法則 です。

引力の強さ = 質量 × 距離の関係

この式を使えば、「どれくらいの重さの天体が、どれくらいの力で引っ張っているか」を衛星や月の動きから逆算することができます。

つまり…
地球は「持ち上げなくても」、引力という「証拠」から重さが分かってしまう のです。

この方法によって、現在では

地球の重さ ≒ 約6垓トン
(= 6,000,000,000,000,000,000,000 トン)

という、非常に精度の高い値が求められています。

それでもピンと来ないので「体積」に変換する

…とはいえ、
6垓トン と言われても、正直まったく実感が湧きません。

そこで今度は、「重さ」を「体積」に置き換えて考えてみることにします。
基準にするのは、地球を構成している代表的な岩石(火山岩・安山岩・玄武岩など)の密度です。

富士山と東京ドームで換算する

・富士山の体積:約 1,400 km³
\(= 1.4 \times 10^{12} \, \mathrm{m^3} \)

・東京ドームの体積:約 124万 m³
\(= 1.24 \times 10^{6} \, \mathrm{m^3} \)

この2つを割ると、
\(\frac{1.4 \times 10^{12}}{1.24 \times 10^{6}} ​\approx 1.13 \times 10^{6}\)

つまり、富士山1個 = 東京ドーム 約113万個分になります。

そして地球の体積は、富士山 約60億個分に相当します。
東京ドーム換算だと、
\( 6 \times 10^{9} \times 1.13 \times 10^{6} = 6.78 \times 10^{15} \)

6,800兆個分 です。

地球 ≒ 富士山60億個分
地球 ≒東京ドーム 約6,800兆個分

ただでさえ分かりづらい「東京ドーム〇個分」という例えが、ここでは完全にスケール感の限界を超えてしまいます。

ちなみに、このスケールが崩壊する感覚は、ブラックホールの話になるとさらに極端になります。
▶︎ ▶︎ 地球を9mmに縮めたら何が起きるのか?ブラックホールでスケールを見てみる

まとめ:1Gの正体は「6垓トン」だった

地球の重さは、約6垓トン。
そしてその重さが、そのまま 1Gの重力 として私たちの体を地面に引きつけています。

もし地球が今よりほんの少し軽かったら、空気は逃げ、海は蒸発し、私たちは立つこともできなかったでしょう。

私たちが「普通」に歩けるこの感覚は、
6垓トンという異常な質量が支えているのです。


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